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■オススメ Vol.69 

葉祥明のオリジナルキャラクター、白い犬のジェイク。1972年に絵本「ぼくのべんちにしろいとり」で絵本作家としてデビューした葉祥明ですが、この絵本で主人公として登場したのがジェイクでした。
「ぼくのべんちにしろいとり」のエピソード(ジェイクが白い鳥を助ける話)は作家・葉祥明自身が公園で体験した事が元で、ジェイクは葉祥明自身の分身と言えます。その後、ジェイクは葉祥明のオリジナルキャラクターとして数々の絵本に登場しますが、やはり、作家が伝えたい思いをジェイクが代弁するかのように描かれています。

今回、企画展示では「ジェイクとかみひこうき」の絵本原画展が開催中です。ジェイクが紙飛行機に乗って、空の旅に出かけるお話です。もともと1993年に出版され、日本航空の機内用に書き下ろされたバイリンガル絵本でした。その後、完売となっていましたが、ご要望を多く頂き、2014年に再版の運びとなりました。1993年当時のタイトルは「ジェイクそらをとぶ」、再版にあたりタイトルを変え「ジェイクとかみひこうき」として、また英訳も一新され出版されました。
タイトルにも加えられた「紙飛行機」。葉祥明も幼少の頃、作って遊んでいたと言います。いかに遠く飛ばすか …よりも、そのシンプルで美しい紙飛行機は「空」にふわりと飛ぶその時の空間に魅了されていました。空への憧れ、包み込むような空間への想い。その後、葉祥明の描く広い空間にモチーフがそっと置かれる作風に繋がって行きます。紙飛行機の向こうに見た「大空」と言う空間への夢と憧れ。その先には何があるのか…

「空ばかりを眺めている子供だった」作家の空への憧れが、ジェイクを通じて出来上がった一冊です。
新しく衣替えしたジェイク絵本。暑い夏にジェイクと空の旅をいかがでしょうか…。






葉祥明美術館
学芸員 長井香奈
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