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■オススメ Vol.70 

「生命の言葉」
言葉は生きています。言葉には見えない 不思議な力があります。言葉によって人は、励まされたりも 勇気づけられたりもします。言葉の持つ癒しの力は 心身の健康を取り戻してくれるばかりではありません。人生と世界を全く新しい目で見ることさえ 可能にしてくれるのです。 葉祥明著書「WORDS AND VERSE」の一節です。

葉祥明は二十代のころからずっと、様々な事をノートやメモ用紙に「詩」という形で書き続けてきました。今でもB5サイズのクロッキー帳に、日々 書き留めており、講演会など最後に必ず行う「詩の朗読」では、このクロッキー帳から出来たての詩を読むこともあります。
葉祥明にとって詩とは日記のようなもの、と言います。『そこには、私の喜びや哀しみや驚き、迷いや苦しみや希望や絶望、時には怒りや憎しみや諦め、そして感謝や祈りが、文字となって記されています。それらは私の人生、私という人間の記録です。年齢に応じて変化し、成長した面もあるし、一貫して変わらないものもあります。私だけの独自の感覚や考えもあるし、心が近しい誰かと共感しあえる部分もあるでしょう。いや、むしろその部分のほうが、どうも多いようだ、ということが、だんだん私にもわかってきました。…』

多くの人に共感される葉の詩は、テーマを設け何冊もの本となっています。「心に響く声」(愛育社)や「母親というものは」(学習研究社)はロングセラーとなり、近年は「無理しない」「気にしない」「急がない」(日本標準)なども人気を博しています。どのテーマであっても、人が生きる中で大切な言葉が織り込まれ、読む側それぞれの必要とする言葉を見出す事ができます。普遍的な「共感」される要素があるのです。

(前述の続き)葉は『…話や絵画や音楽などが、人にとって、社会にとって重要なのは、その点です。人と人は無関係ではありません。互いが常に、何かを発しあって、この世が成り立っているのです。交わし合う微笑み、まなざし、言葉、行為・・・詩や絵画や音楽も、そのひとつなのです。他人は決して他人ではなく、動物も植物も、空も大地も、すべて、この世にあるものは、その奥では、ひとつにつながっているのです。
このことを、私たちは人生をかけて知るために、生きているようなものなのです。(「窓をあけよう」あとがきより)』と言います。
見えない不思議な言葉の力を感じ、他者と自身のつながりを見つめ直し、より幸せに生きる知恵を教えてくれる。そんな魅力が葉祥明の言葉にはあります。

企画展示で開催中の「幸せに生きる100の智恵」は100の詩がまとめられた同タイトルの言葉集のいくつかを厳選し、展示しています。
『疲れた時、辛いとき、そこに行くとほっとする。一息ついて、さあもう一度頑張ろうって 元気が出てくる。そんな心の居場所、ありますか?』この詩は、「幸せに生きる100の智恵」に掲載されている作品の一つです。来館の皆様にとってこのような心の居場所に、北鎌倉 葉祥明美術館が共感を得、親しみを持って頂ければ幸いです。






葉祥明美術館
学芸員 長井香奈
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