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■オススメ Vol.75 

北鎌倉 葉祥明美術館は絵本作家・葉祥明の個人美術館として1991年に開館しました。以来、葉祥明が手掛けた作品を紹介し続けています。そんな中、今回 企画展示室で開催される「くまモンとブルービーのなかまたち展」は葉祥明の作品ではありません。葉祥明の実弟・葉山祥鼎とそのご子息・ハヤマテイジの作品になります。葉山祥鼎は兄である葉祥明のアートプロデューサーとして活躍する一方で、葉祥明阿蘇高原絵本美術館の館長として熊本阿蘇を拠点に活動しています。また、葉祥明の制作の原点でもある熊本県阿蘇の環境保全にも取り組み、さらに童話作家としても活躍し、その多彩な才能を発揮しています。祥鼎氏の長男にあたるハヤマテイジは、スイス在住。画家としてヨーロッパを中心に活動しています。

 自然の中にある葉祥明阿蘇高原絵本美術館で勤務している祥鼎氏。四季折々、刻一刻と変わる自然の表情に感銘を受けながら、訪れる様々な動物や昆虫などの生き物と出会う日々を過ごしています。企画展で開催の「くまモンとブルービーのなかまたち展」に登場するブルービーも、美術館に訪れる珍しい青い蜂がモデルです。正式名称はルリモンハナバチ、バジルが好きで庭に咲くバジルの花に蜜を求めてやってきます。出会うと「幸せになれるかも!」とテレビで話題にもなりました。そのブルービーが絵本の中で主人公となり、テントウムシやカエル、モグラや小鳥など他にも美術館に遊びに来る生き物たちと一緒に阿蘇の自然の中で色々な遊びをします。
ブルービーのお話は何冊も出版され、その ほのぼのとした世界は子ども達にも愛されています。地元に親しみを込めて描かれた作品は遂に「くまモン」とも出会う事になりました。美術館の周りを舞台にくまモンと、小さな生き物たちが力を合わせて力一杯 遊ぶ姿は生命力の溢れた作品です。

4月の熊本地震で、その舞台になった美術館周辺は地割れや土砂崩れがおこりました。幸いにも美術館の建物自体の崩壊は逃れましたが、絵本の中でくまモンたちが作ったツリーハウスが傾いたりと被害がでています。ですが、お話の中でもみんなで協力したように、地域の皆さん・全国の皆さんのお力を頂戴し、復興復旧へと前向きに進んでいます。
夏から秋に訪れるブルービーも、地震後の美術館に再び来てくれるか…心配しつつも願いを込めてバジルを植えました。
地震もまた自然ですが、自然の中に身を置くことで「人間はまさに地球の一員である」と実感しつつ、可愛いくまモンとブルービーのお話をご覧下さい。
 





葉祥明美術館
学芸員 長井香奈
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