葉祥明美術館

学芸員のおすすめコラム「ピーターパンとウェンディ」

 
 絵本作家としてデビューして44年。創作絵本は200冊以上、その他にも挿絵など手掛けた出版物は400冊以上に上ります。近年でも毎年新刊を出版し、新しい作品を生み出しています。中でも「葉祥明の世界の名作絵本シリーズ」(Jリサーチ出版)は第一弾の「星の王子様」、続く「赤毛のアン」と共に好評を得ています。そして、待ちに待った第三弾が2017年10月に発売されました。現在、企画展を開催の「ピーターパンとウェンディ」です。2016年12月に「赤毛のアン」が出版されるのと同時期に描き始めた「ピーターパンとウェンディ」は1年近い制作期間を経て、出版されました。通常、資料などで下調べをする期間を除けば、描き始めてから1年は葉祥明にとっては長い行程だったと思います。それだけ、試行錯誤を繰り返し出来上がった作品と言えます。
 1970年代のデビュー当時から、優しくやわらかい作風で知られる葉祥明。描く世界は静かで、見る側に穏やかな風を感じさせます。そんな作家が「ピーターパン」を題材にしたことで、ネバーランドでの冒険や、フック船長との戦いなど躍動感あふれるストーリー展開を描く事は『挑戦』でもありました。
 イラストとして添えられたフック船長は、品がある風貌。フック船長を狙うワニさえも暖かみを感じます。そんな中、空を飛び回る子供たち、人魚の入り江、船上での戦いを描き…出来上がった作品は葉祥明らしさの中にワクワクする動きある名作となりました。
  
 数ある世界の名作の中から「ピーターパンを」を選んだ理由。想像する事の大切さ、そして子供時代と子供心のかけがえのなさを、人々に思い出させてくれる素晴らしい作品だからといいます。
たくさんの絵本を描き続けている葉祥明、今尚 挑戦するその姿が、想像力と冒険心をもって永遠の少年のピーターパンとその姿が重なるような気がします。
 
 又、本作は前二作と同様に英語が学べる絵本として、日本語と英語が併記されています。名作を読みながら英語を学び、葉祥明の世界を見られるスペシャルな絵本を是非ご覧下さい。
 
北鎌倉葉祥明美術館企画展 2017年11/18 (土) ~ 2018年1/19 (金)
葉祥明の世界の名作絵本シリーズ
「ピーターパンとウェンディ」展
 
 
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