葉祥明美術館

学芸員のおすすめコラム【「しあわせってなあに?」】

 
2002年に出版された絵本「しあわせってなあに?」。本書は少しの間“在庫切れ”となり、葉祥明美術館のミュージアムショップでも、再販の希望が多く寄せられていましたが、この度2019年に再版されました。皆様にこの素晴らしい作品を再び紹介出来る事を嬉しく思います。前回、2008年に当館で原画展を行ってから11年の歳月が過ぎました。改めてご紹介しますと、本作は2002年に葉祥明オリジナルキャラクターの白い犬の“ジェイク”が主人公の絵本です。舞台はニューヨークのセントラルパーク、葉祥明自身1970年に留学をし、よく足を運んでいた大好きな場所です。いつか描きたい場所として温めていました。時が経ち、2001年9月11日にワールドセンタービルのテロが起きます。一瞬にして失われてしまったもの「人間の幸せや人生・いのち・家族」について当時、葉自身改めて深く考えたといいます。その時の気持ちと、同じニューヨークにある公園への思いが合わさり、生まれたのが絵本「しあわせってなあに?」です。
 
絵本の冒頭で問いかけます。
『しあわせって何でしょう。何かを手に入れることや、何か良いことがあったり、得したり、という滅多にないことが起きた時のことばかりを言うのでしょうか。しあわせは、日常の中の小さなことに、一人ひとりの心の中に、いつでもある、そのことに気づいた瞬間のことではないかしら…』と。
「失って初めて気づく」というフレーズが使われますが、失う前に気づくことが出来たら…より豊かな日々を送れるでしょうか。「しあわせってなあに?」とご家族と友だちと、・・・自分自身に問いかけてください。本作に触れることで、「しあわせ」って何なのか、考えるきっかけになれば幸いです。
 
毎日の何気ないこと…
絵本に登場するもぐらのモーリーのしあわせは「つちのなかを ほりすすめること」です。ハリネズミや、リスのキキ、のねずみのアルフレッドくんのしあわせは何でしょう。
鮮やかなグリーンが広がるあたたかい原画作品を鑑賞しながら、色々なしあわせを見つけてください。
 
 
北鎌倉 葉祥明美術館 企画展 2019年3月16日〜5月17日
【人気ジェイク絵本シリーズ原画展「しあわせってなあに?」】