葉祥明美術館

学芸員のおすすめコラム【母になる日】

  
1973年に絵本作家としてデビューしてから現在まで、葉祥明は多くの著作があります。絵と文章の両方を手掛けた物で約250冊以上、挿絵を担当したものも同数ほど、多作です。その中で『おなかの赤ちゃんとお話ししようよ』(サンマーク出版)他シリーズ全5作や、『ママきこえるよ』(学研教育出版)など、子どもがお母さんに語りかける絵本はいくつもあり、大変な人気です。もともと絵本の多くが、子どもが読むことを前提として、また子どもの目線から描かれています。しかし、絵本を選び子どもに与えるのは親であり大人です。葉は絵本の中にお母さん自身のための絵本があっても良いのでは…と思い『母になる日』の制作に至ったと言います。
 本作は「母」が「父」と出会い、命を育み「子」を育て見守り、送り出すという、物語を描いています。そこに込めた葉祥明が伝えたい事…。「子育ては本当に本当に大変なのに、お母さんだけが孤軍奮闘して、本当のところ誰も理解してくれないところがあり、ならば そんなお母さん達のために「よく頑張ってますね!」と言ってあげたいと思う。そして、その子育ての意味や意義を一緒に理解しよう。」(葉祥明談)と言います。子育てを頑張っている親御さんに、エールを送る絵本です。
 
“「ご苦労さま!よく頑張ってますね!」とにかく心から、ありがとう!と言いたい。葉祥明”
 
絵本のタイトルが『母になる日』ですので育児中のお母さんに向けたメッセージ絵本ではありますが、その内容は子どもが両親の愛を受けて育まれ、かけがえのない命であることを謳っています。本作の英字タイトルに葉祥明の手書きで「Mother」。誰もが親から生を受け、この世に生まれてきました。 “母”のぬくもりを感じ、思いを馳せる…感謝の気持ちを胸に、全ての人にご覧いただきたい作品です。
 
 
■北鎌倉 葉祥明美術館 企画展 2021年3月27日〜5月28日
企画展【お母さんのための新作絵本『母になる日』原画展】