葉祥明美術館

オススメ Vol.03

今回企画展のMy Selectionとして、私は“Great Blue”を挙げたいと思います。
この絵をご覧になった時、皆様は何を思われますか?
私はまずその“青”の美しさに心を奪われました。深い深い色ですが、それでいて透明感のある色彩。思わずその“青”に魅入っていると、ふとした瞬間に生命の存在に気付きます。そう、イルカです。
葉祥明はイルカやクジラなど海の生物を描く時には、海の水の色も含めて、出来る限りリアルに描きます。絵画という表現の中で、現実を再現することを追求しているのです。

これだけ広い海の世界にただ1匹のイルカ。なかには、孤独や寂しさを感じられる方もおられるかもしれません。私はむしろこのイルカに“喜び”を感じました。この大海原を悠々と泳ぐ様は、自由の喜び、寛大さ、優しさを伝えてくれます。
“Great Blue”=“すばらしい青”、私のお気に入りの1枚です。

葉祥明美術館
学芸員 祢津