葉祥明美術館

オススメ Vol.19「Young Age -葉祥明初期の作品-」

葉祥明の名を世に広く知らしめたのは、その優しい色合いとかわいらしい作風のメルヘン画でした。その後、その作風を生かしながら、また よりシンプルな画風へと変貌し彼の精神的な癒しの世界を表す作品や言葉多く生みだし続けています。
今、私たちが良く目にする作品は地平線(水平線)にモチーフが描かれるシンプルな作品です。

このシンプルな作品を観ていると、一瞬で全体を鑑賞できるのにもかかわらず「じーっと」その世界に引き込まれ、ついつい長く眺めてしまっているなんて事もあります。「なぜだろう」と思いながら、また次の作品にも見入ってしまう背景には様々な要素があるでしょう。その心地よい色合い。観る者を包み込んでくれる空気感。また、観る側のその時の気持ち、等々・・・。

それ以外にも、作家がこの作風にたどり着くまでに歩んできた道のりが背景にあるからでもあるのではないでしょうか。一見、そのシンプルさ容易に生み出されたようにも見えてしまいます。ですがその簡素な作風に至るまで、多くの作品を描き、様々なものがそぎ落とされ・・足され・・またそぎ落とされ・・・そうして生まれた作品なのです。いま、私たちの目にする作品は葉祥明の洗練された世界とも言えます。だからこそその世界に引き込まれていくのではないでしょうか・・・。

1月27日より企画展示にて開催されている「Young Age展」は、葉祥明がデビューする前に絵を学びながら描いた作品です。これらの作品郡をみると、葉祥明の軌跡を垣間見る事が出来ます。これは必見です。今までに展示される事が無かったものがほとんどですし、今後、何処かで展示できるかも未定です。
この機会をお見逃しないことをお勧め致します。

■北鎌倉葉祥明美術館企画展 2007年1月27日 (土) ~ 3月23日 (金)
「Young Age -葉祥明初期の作品-」展



葉祥明美術館
学芸員 長井