葉祥明美術館

オススメ Vol.26「アンネのバラ」

絵本「アンネのバラ」は、「アンネの日記」で知られている15歳でこの世を去った少女のアンネ・フランクという少女の平和への願いがこめられたバラを主人公にしたお話しです。平和と自由への願いを葉祥明氏が黄色い美しいバラとともに描いています。

アンネのバラはベルギーの園芸家が、アンネの父親のオットー・フランクに贈った四季咲きのバラです。蕾の時は赤く、開くとオレンジからピンクへと変化します。その華麗な美しさは素晴らしく、本当に綺麗!北鎌倉の葉祥明美術館の庭にも、アンネのバラがあります。毎年、綺麗に花を咲かせていますが、蕾から花開き散るまで…その代わりゆく姿がどれも美しく、毎日見るものを楽しませてくれます。

学名をSouvenir d’Anne Frankという「アンネのバラ」。この色鮮やかなバラを愛でるような平穏な日々を、送れなかったアンネ・フランク。そんな「アンネ・フランクの思い出のために」とバラを作ったベルギーの園芸家。彼もまたアンネと同世代のナチス占領を経験した人でした。平和への願いをバラに込めたのです。そして平和の大切さを「アンネの日記」「アンネのバラ」と共に世界へ伝えようと余生を送った父オットー・フランク。
みんなの共通の思い「平和」を色鮮やかなこのバラが伝えています。
葉祥明美術館の「アンネのバラ」展で、その思いを少しでも多くの方にお伝えできればと思っています。早ければ4月の下旬、5月頃には花を付けるアンネのバラ。是非一度ご覧下さい。
そして、そのバラに込められた「平和と自由への願い」を感じて頂ければ幸いです。

■北鎌倉葉祥明美術館企画展 2008年3月21日 (土) ~ 5月23日 (金)
絵本「アンネのバラ」展



葉祥明美術館
学芸員 長井