葉祥明美術館

オススメ Vol.30「どうぶつだいすき」

企画展示室で開催中の「どうぶつだいすき」展は1983年に出版された絵本の原画です。
1980年代、現在の地平線や水平線の広がる風景とは違った作風の絵本を、葉祥明さんは描いています。「どうぶつだいすき」「のりものだいすき」「くだものだいすき」(いずれもサンリオ出版)、シリーズで出されたこの絵本は、画面いっぱいにモチーフが描かれています。色合い葉祥明さん特有のやさしい、穏やかな色。見ているとほんわかと心が温まるようです。

子供たちと動物たちは仲良し。でも日常の生活の中では限られた動物しか触れられません。地球上には沢山の動物がいます。それも幼い子らに知ってもらいたい・・・という作家の想いをのせて「はじめてのえほんシリーズ」で小さな子供が手に出来るように厚い紙で丈夫な絵本になりました。
幸運にも選ばれた動物はパンダ・キツネ・ぞう・犬・豚・きりん・牛・バク・猫・うさぎ。そして、残念な事に編集の関係で本の中には登場できなかった羊と白うさぎ。

この12匹?の動物たちそれぞれに作家の想いがあります。例えばパンダ「日本に初めてパンダが来て以来パンダは一番人気。本当に不思議な姿形です。」とコメントしています。ゾウやキリンはその大きさや高さに「すごい!」と感嘆。キツネやウサギに「可愛らしさ・愛らしさ」をみています。中でも異質なバクは「夢を食べるというイメージがとても気に入っている」のだそう。

現在でも自宅で6匹の猫と生活を共にしている葉祥明さん。昔は犬を飼っていたそうです。身近なところに いつも動物がそばにいる氏が描く動物たちをご覧下さい。
「動物を大切に!愛してください!敬ってください!
 動物の美しさ、愛らしさ、穏やかさ、純粋さ、従順さ、神々しさを感じとってください。」
葉祥明さんからのメッセージです。

■北鎌倉葉祥明美術館企画展 2009年1月24日 (土) ~ 3月20日 (金)
「どうぶつだいすき」展



葉祥明美術館
学芸員 長井