葉祥明美術館

オススメ Vol.36「ホワイトウルフの教え」

普段「絵本作家」と称される葉祥明という作家は、絵本という表現方法だけでなく、様々なかたちでアプローチしています。油彩画、詩、写真もその一つです。
2009年に発表された「ホワイトウルフの教え」という書籍は、白黒の写真と詩からなる本です。葉祥明は以前から詩写真集を発表しています(「リ・メンバー」(リ・メンバー出版)や「LIFE」(愛育社))が、著者は〈葉祥明と記されています。ですが、この「ホワイトウルフの教え」では著者はホワイトウルフ、編者が葉祥明となっているのです。
〈ホワイトウルフ〉とは誰でしょう…
書籍の前書きに、葉祥明はこう書いています。

***

北米大陸の雄大な大自然の中で生きていたアメリカ・インディアンの人々は、古老やシャーマンを通して自然界のスピリットから様々な導きや教えを受け取り、過酷な自然の原野を生き抜いてきました。
この本の中の言葉もまた同様に、高次元存在のホワイトウルフ・スピリットから、現代に生きる私たちのためにもたらされたものです。
時代や社会を超えたこの叡智の言葉には、普遍真理の持つ強力なエネルギーがあり、これらの言葉にふれることによって、あなたの中に、元々存在していたある精神が立ち上がり、気づきと目覚めが起こるでしょう。
力強さと賢さ、美しさと優しさ……というホワイトウルフ・エネルギーが、あなたという人間の持つ、数々の美徳を引き出してくれることを願って。

***

皆様はどう解釈されるでしょう…
葉祥明は今までにもたくさんの言葉を綴ってきました。日常的な事から、心理的な事まで…。今回もまた、ホワイトウルフの名を借りて、新たな表現をしました。ホワイトウルフの言葉は日々の生活の中で、迷い悩みながら強く生きていくために必要な事を教えてくれます。
葉祥明の新たな試みをご覧ください。

■北鎌倉葉祥明美術館企画展 2010年1月23(土) ~ 3月19日(金)
葉祥明・詩写真展
「ホワイトウルフの教え~“いま”を強く生き抜くために…~」

葉祥明美術館
学芸員 長井