葉祥明美術館

オススメ Vol.38「贈る言葉-草稿展-」

2008年に「無理しない」2009年に「気にしない」、2010年には「急が ない」「比べない」と続けて“ことばの本”が出版され、さらに…
別の「三行の知恵」シリーズでも、メッセージを発信し続けています。
日々日常に感じる事から、政治的な事柄や事件などを連想させる“ことば”
その言葉は難しい言い回しではなく、簡潔に そして適確に言い表しています。

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今回の展示では、その言葉を直筆にて書き直した作品と共に、当館では初めての「草稿」を一緒にご覧いただきます。書籍になる前に、葉祥明が思い浮かんだ“ことば”を紙に書き留めていったもの。その言葉が生まれた瞬間の記録です。
作家本人は「綺麗に書いてないから…」と
気にしていましたが、最終的には貴重な資料を是非皆さんにご覧頂きたいという思いを受け止めてくださいました。
「言葉」の話題になると葉氏は、想いがあふれ出すのかたくさんの事をお話してくださいます。
そんな話を、展示の所々にて紹介しているのでご覧下さいね。

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今回 展示している言葉は短いものがほとんどです。
元々、あまり長いものではなく読みやすくわかりやすい詩が多いのですが…今回はさらに凝縮されています。そんな短い言葉は、一つ一つがしっかりと心に留まるものです。
そんな感想を葉氏に伝えると「一つの言葉が小さな三角で、その一つ一つが重なると、星形になってさらに増えるとダイヤモンドのような形になるね。
堅い宝石のように言葉は輝きと強い心になって、自分にとって大切なものになるんだよ」こんなお話をしてくださいました。
なにかとても深く、それに暖かくて嬉しい気持ちになりますね。

『自分』そして『他者』『世界』、様々な事を連想する言葉の数々。
あなたはどの言葉が心に残りますか……

■北鎌倉葉祥明美術館企画展 2010年5月22(土) ~ 7月23日(金)
「贈る言葉-草稿展-」

葉祥明美術館
学芸員 長井