葉祥明美術館

オススメ Vol.42「はちぞうのちいさなねがいごと」

2009年に朝日小学生新聞で「はちぞう」が初めて掲載され、その冒険物語は「はちぞうのぼうけん」(朝日学生新聞社)という絵本にもなりました。
たくさんの方に「はちぞう」を知ってもらうきっかけとなり、2010年には葉祥明の言葉にのせ、さらに「はちぞう」による展開をみせています。
企画展「はちぞうのねがいごと展」は2010年に朝日小学生新聞に掲載された作品を元に構成されています。
はちぞうがつぶやきのように言葉の意味を解説するかたちになっており、2009年のはちぞうの冒険では物語として話が進んでいたのとは異なっています。
これは葉祥明の『人は「言葉」によって物事を考え、自分を表現し、人とコミュニケーションする。だから人生の初期に「言葉の意味」を正しく知ることは、人生を生きる上でとても重要になってくる。
それはひいては正しいものの見方、生き方、人間性の進化向上にも役立つと信じている』という思いが込められています。
その思いが子供達への願いとなり「はちぞうのねがいごと」となりました。毎回一つの言葉が選ばれ、たくさんの言葉をはちぞうが伝えています。その言葉は葉が心に浮かんだ、人間として大切な、そして重要な言葉や、現代で失われたり、問われている出来事、概念・理念の理解と運用に役立つ言葉を選びました。
そんな中には「言葉って?」という言葉そのものを題材にしたものもあります。
言葉って何だろう?
ぼくたちは思っていることを声や文字で相手に伝えるよね
言葉って物の名前や 動きや じょうたいを 表しているんだよ
だれかが言い始めたことが 時間をかけて広まったんだって
ぼくはできるかぎり美しくて よい言葉を使いたいな
だって言葉は 自分の心そのままを 表すんだから

葉祥明の心を表すとも言える「言葉」を、はちぞうの案内でぜひご覧下さい。

■北鎌倉葉祥明美術館企画展 2011年1月22(土) ~ 3月18日(金)
Humming Elephant
「はちぞうのちいさなねがいごと」展

葉祥明美術館
学芸員 長井