葉祥明美術館

オススメ Vol.44「心に響く声」

1人は誰でも、何らかの悩みや、問題をかかえて生きています。
このことさえなければ、どんなに心穏やかで いられるか、とか、何故自分だけが、こんなに苦しまなくてはいけないのか、とか、思いつつ、この日々を過ごしている人も少なくない筈です。
それは、若者・老人・男性・女性・子供…を問いません。
問題や、悩み事から逃げ出す人、ごまかす人、怒る人、ひたすら耐える人、様々です。
実際、誰にとっても、病気や怪我、失敗やいさかい、別れや裏切りは、 辛く、嫌なものです。
しかし、どんなに考え、思い悩んでも、どうにもこうにも身動きならず万策尽きた、その時こそ実は、人生の最大のチャンスなのです。
自分の苦しみを通して、他の苦しみや痛みが分かる、素晴らしい人間になれる良い機会です。
こんな時こそ、人間や社会や人生、そして自分自身を深く見つめ直しましょう。
そして、心がけ次第では、人生に於ける本当の学びさえ得られます。
私達の苦しみは何のためでしょう?
結論的に言えば、全ての苦しみの真の目的は、神との出会いです。
神と言っても、特定の宗教ではなく(あるいは、全ての宗教をも含む、と言ってもいいかもしれませんが、)この全宇宙を創り、私達をこの世に在らしめた存在、生命の根源、あるいは、宇宙の法則とか原理です。
それは限りなく優しく、愛に満ちたものです。苦しみを通して、私達は、宇宙の愛に触れ得るのです。
だから、単に苦しみから解放され、楽になる、というだけでは勿論ないのです。
この本の中の色々な言葉や文章は、ふとした折に、私の心に響いた声の数々です。
どうぞ、皆様の生活状況や、心の状態に応じて、いかようにもお使い下さい。
これらの言葉の持つ力によって、癒しや、慰めや、安らぎや、励ましが得られ、皆様が元気を取り戻し、生 きる意欲が湧いてくれば幸いです。
苦しみを乗り越え、そして、幸せになってください。幸せな人が増えれば、それだけ、この世界も良くなるのです。何故なら、幸せだということは、愛に満ちているということですから。
今世界は皆様の愛を必要としています……。
                       1997年9月 葉 祥明

上記の文章は、出版当時に書かれた前書きですが、現在の私達の心にも響いてきます。
美術館の開館20周年の今年、葉祥明の代表作を改めてふり返ります。
胸を打つ言葉と 心あたたまる絵で綴る葉祥明からのメッセージをご覧下さい。

■北鎌倉葉祥明美術館企画展 2011年5月21日(土) ~ 7月22日(金)
WORDS & VERSE「心に響く声」展

葉祥明美術館
学芸員 長井