葉祥明美術館

オススメ Vol.66「もっと素敵になるために」

葉祥明作品の中で、音楽とコラボレーションした作品はいくつもあります。楽譜に水彩画を添えたものや、CDジャケットなど。中でも音楽と詩、絵画が一体となった代表作「もっと好きになるために」は2003年に発表され、たいへん好評でした。葉の絵画と詩、そして音楽が相まって優しいひとときを感じる作品から10年以上経ち、あの素晴らしいコンセプトを再び、と作られたのが「もっと素敵になるために」です。12編の絵画と詩に、12の音楽が紡ぐ「見る・読む・聴く」のアンサンブルは、心地よい素敵な時間を演出してくれます。

もともと音楽好きな若者だった葉自身もギターを弾き作詞・作曲をした事もありました。彼の中で「絵画・詩・音楽」を等しく愛でていましたが、絵画や詩に力を注ぐことになり、今では音楽について「良い音楽愛好家」として親しんでいます。そんな中、自身の作品と素晴らしい音楽が出会った事は「大いなる喜びである」と語ります。

絵に添えられた音楽は黒石ひとみさん作曲です。葉の絵から音が聞こえてくるのを待って作曲したと言うその音楽は、優しく包み込まれる印象の中に少し、背中を押してくれるような…励まされる印象を受けます。

葉の絵もまた、主張するような解釈を必要とせず 見る人の好きに受け止めてほしいという大らかなものです。その一方、綴る詩は優しさと清々しくまっすぐな強さを持ち合わせています。

共鳴する絵と詩と音楽は相乗効果を生み、素敵な空間を作りました。

「素敵なひとときを…」そして「もっと素敵になるために」。是非ご来場ください。

■北鎌倉葉祥明美術館企画展 2015年1月27日(土) ~ 3月13日 (金)
 音楽&絵&詩のアンサンブル
「もっと素敵になるために」展

葉祥明美術館
学芸員 長井