葉祥明美術館

オススメVol.14「ピンクの世界展」

葉祥明の色の世界展も、今回で青・黄色に続き3弾目となりました。
今回の「ピンクの世界展」は、その色彩自体が主張をするだけに、そのタイトルを決める段階から悩んでしまいました。と、いいますのも「ピンクの世界展」と「桃色の世界展」という二つの案があったからです。鮮明な印象を受ける「ピンク」と柔らかい印象の「桃色」との間で考え、結局 作家本人が自分の色を思い浮かべる時に「桃色」ではなく「ピンク」と考えるので「ピンク」でいこう!という事になりました。

葉祥明の作品では、全面がピンクに覆われたものが多数あります。
その中に登場するモチーフは様々で、今回の展示では比較的多く描かれている「少女」と「子ども」をベースに風景もいくつか展示しています。
その中で今回ご紹介したいのは「紫陽花ランド」という作品です。
こちらの作品は空はピンクの雨、画面下はピンクの紫陽花が描かれています。その画面の中に色とりどりの傘と雨コートを着た妖精たちが遊んでいます。鮮やかなピンクで描かれた作品の印象は楽しいものです。

この作品は葉祥明が6月の梅雨を描いたものですが、その際「暗くてジメジメの嫌な季節ではなく、しっとりとした甘美さを表したかったので、雨の様を妖精と好ましい色彩ピンクでファンタジックに描いた」のだそうです。
「すっと梅雨が楽しく感じられるでしょう!」と作家のメッセージが込められているのです。

いかがですか?これでこれからの雨の日が楽しい日となるでしょう!

■北鎌倉葉祥明美術館企画展 2006年3月18日 (土) ~ 5月19日 (金)
「ピンクの世界展」



葉祥明美術館
学芸員 長井