葉祥明美術館

オススメVol.88「こだわらない」

 
近年、毎年のように言葉の本を発表している葉祥明。子ども向けの絵本とは異なった側面を見せています。人気シリーズとなった“ないシリーズ”は「無理しない」「気にしない」「急がない」「いのちあきらめない」「比べない」「怒らない」と、現在企画展開催中の「こだわらない」で七作目になります。
 
新たな「○○ない」を「こだわらない」に選んだ理由を聞きました。
『自分の意識を集中する(こだわる)ことによって、人は、幸せにも不幸せにもなる。歓びとも悲しみとも出会う。この二つの側面を伝えたかった。』
本文中にもこのコメントを表す言葉がたくさん綴られています。ひとつご紹介すると…
『こだわりとは、ひとつのことに 強く思いを向けたり、特定のものに 心を奪われること。それは、物事を成し遂げる原動力にもなるし、人生を豊かにもする。自分らしさにこだわることで、人生が揺るぎないものにもなる。しかし、こだわり過ぎると、楽しかるべき人生が 堅苦しいものになる。こだわってこだわって、ただ一つのことだけに目を向けていると、大切なものを 見失ってしまうこともある。』
このように「こだわる」ことの良い部分と、悪い部分を対比させながら言葉をつなぐ事で、我々に思いっきりこだわって、そしてまた、こだわりから自由になることの大切さを伝えています。
 
葉祥明自身も捨てられないこだわりと、こだわらないように心がけている事とがあります。「こだわらない」ようにしている事は“他人が自分に言ったこと。自分の言動をいつまでもくよくよ考えない”こと。逆に捨てられない「こだわり」は“美しいもの、風景、美味しいものに対する関心”。
 
『この世は、無限の可能性と無数の美しさと、想像を絶する出来事で満ちている。ひとつのことだけにこだわって、この豊潤な世界に 目を閉じるのはもったいない。』(本文より)
 
皆さんには何にこだわり、どのようなこだわりを捨ててこの日々を生きてますか?
 
 
北鎌倉 葉祥明美術館 企画展 2018年9月22日〜11月16日
【葉祥明が綴るWord & Verse「こだわらない」直筆展】