葉祥明美術館

オススメVol.85「子どものこころを感じてみようよ」

 
 2000年に「おなかの赤ちゃんとお話ししようよ」を発表してから、「生まれた赤ちゃんとお話ししようよ」「生んでくれてありがとう」「子どものこころを感じてみようよ」「育ててくれてありがとう」を描き、五冊の赤ちゃんシリーズが発表され累計32万2千部の人気シリーズとなりました。
 サンマーク出版社から出版された本作は、出版社として初めての絵本だったそうで、担当編集者の方の熱意により制作がはじまりました。男性で、子どものいない葉にとって「お腹の中の赤ちゃん」は未知だったと言います。でも制作にあたり、話を聞いたり調べていくうちにだんだんと子どもの気持ちになり、お母さんに伝えたいことが浮かんできたそうです。「お母さんに向けたメッセージを描こう」と方向性が決まり描いた「おなかの赤ちゃんとお話しようよ」は、お腹の中から赤ちゃんが、お母さんに語りかけています。「しんぱいしないで」「だいすきだよ」と。
生命を育むという事は、人知の想像を超え…未知で神秘な世界です。親になる喜びもひとしおですが、同時に不安でもあります。そうした気持ちに少しでも寄り添えればと描かれた“赤ちゃんシリーズ”は多くのお母さんに共感と感動を与えてくれます。
 本展の「子どものこころを感じてみようよ」はシリーズ四作目の作品です。生まれてきた子どもたちは愛くるしい一方、大人の予想を超えた言動もあり、一筋縄ではいかないものです。「なぜ?」と戸惑い、怒り、哀しみと感情が高ぶることもしばしばではないでしょうか。小さい子どもは自分の考えをうまく伝える術をまだ知りません。子どもであることの自由さの一方で、大人を前にした時の無力感やもどかしさ…。そんな子どもの気持ちを感じ、「なぜ?」という疑問を少しでも緩和するお手伝いが出来れば幸いです。
 
 
北鎌倉葉祥明美術館企画展 2018年3/17 (土) ~ 5/18 (金)
Toddler’s Message
「子どものこころを感じてみようよ」絵本原画展