葉祥明美術館

学芸員のおすすめコラム


葉祥明の作品が広く知られるようになったきっかけでもある月刊誌「詩とメルヘン」や「いちごえほん」。当時メルヘンブームが起こっていた1970年代に、葉祥明の作品がこの雑誌に掲載されるようになり一大ブームとなりました。(株)サンリオの「詩とメルヘン」の編集を担当していたのがやなせたかしさんなのは有名です。それ以来、葉とサンリオとのお付き合いは続きます。40冊以上の画集や絵本も出版し、沢山の作品を描きました。現在でも「いちご新聞」に毎月、葉の絵と詩が掲載されています。
 
「いちご新聞」と葉祥明の始まりは、1980年11月1日の「いちご新聞135号」に「いちごの王さまからのメッセージ」に挿絵としてイラストを提供しています。その後、度々挿絵として掲載され、1980年12月15日の138号では表紙を飾りました。本格的な連載は「いちごの王さまと詩の世界」の企画ページ、葉祥明ファンにとっても、自分の詩に葉の作品が添えられるわけで…嬉しい企画でした。2002年9月号から続いた「いちごの王さまと詩の世界」は2007年6月号で区切りを付け、2007年7月号から新たに「幸せになるための『心のハーブ』」という連載になります。こちらでは絵と詩の両方を葉祥明が書き、葉祥明ワールドを展開することになります。毎回、描き下ろされた作品は、葉祥明らしくありながら…サンリオらしくもあるという独特な作風です。サンリオの「イチゴハウス」が登場し、なんと「キティちゃん」まで描いています。『心のハーブ』の連載が100回となり、続いて『心にAroma』が始まり、2023年2月号でこちらも100回を迎えた事をきっかけに、そして2025年にいちご新聞50周年を迎えるにあたり作品集『Yohshomei いちご新聞の世界』を刊行いたしました。260点以上の作品数の中からどの作品を選抜するか…どの作品も素晴らしく、大いに悩みました。可愛い絵に、心に響く言葉、葉祥明の解説コメント、要素が盛り沢山です。特に解説コメントなど毎号、素敵にまとめてくださる「いちご新聞編集局」の皆さんには、大変なご協力を頂きました。この場を借りて御礼申し上げます。デザインにご尽力下さったBOTANICA 水崎真奈美さんは長年、葉祥明の出版物のデザインを手掛けています。多くの方に愛されている葉祥明作品だからこそ、長きにわたり連載を続いています。これからも葉祥明作品をお楽しみください。
 
 
■北鎌倉 葉祥明美術館 企画展 2025年4月19日〜7月11日
YOH Shomei いちご新聞の世界